みなさんどーもponpokoです。
私は、2017年に看護師としてキャリアアップしたいと考え、看護師特定行為研修を受講しました。
受講した結果、看護師として高度な知識や技術を深められるだけでなく、給料のUPにもつながることができたのです。
この記事は
- 看護師特定行為研修の受講をしたいと考えている
- 看護師としてキャリアアップしたい
このように考えている人に参考になればと思い、実際の研修内容や受講するメリットなどを説明したいと思います。
Contents
看護師特定行為研修とは?
特定行為研修は、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修であって、特定行為区分ごとに特定行為研修の基準に適合するものであること。
引用元
つまり、看護師が特定行為を行うために、高度かつ専門的な知識、技術を習得する研修です。
資格が発行されるわけではありませんが、研修終了時に修了証がもらえます。
特定行為ってどのようなことができるの?
看護師患者さんの状態の変化をその都度医師に報告し、判断や指示を仰ぐ。
特定行為研修を終了した看護師あらかじめ作成した手順書をもとに、医師の判断を待たず、自分の判断で特定行為が行える。
特定行為は21区分あり、細かく分けて38行為あります。
- 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
- 侵襲的陽圧換気の設定の変更
- 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
- 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
- 人工呼吸器からの離脱
- 気管カニューレの交換
- 一時的ペースメーカの操作及び管理
- 一時的ペースメーカリードの抜去
- 経皮的心肺補助装置の操作及び管理
- 大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
- 心 嚢ドレーンの抜去
- 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更
- 胸腔ドレーンの抜去
- 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された 穿刺針の抜針を含む。)
- 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
- 膀胱ろうカテーテルの交換
- 中心静脈カテーテルの抜去
- 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
- 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
- 創傷に対する陰圧閉鎖療法
- 創部ドレーンの抜去
- 直接動脈穿刺法による採血
- 橈骨動脈ラインの確保
- 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理
- 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
- 脱水症状に対する輸液による補正
- 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
- インスリンの投与量の調整
- 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
- 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
- 持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
- 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
- 持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
- 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
- 抗けいれん剤の臨時の投与
- 抗精神病薬の臨時の投与
- 抗不安薬の臨時の投与
- 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整
以上の38行為があります。
全て受講することもできますが、1回の研修で取得するのは厳しいです。自分の目指しているものや、働いている施設で活用できるものなどを受講するといいと思います。
経験年数はどれくらい必要?
概ね、3年〜5年の経験を有する看護師と言われています。
私は、12年目で研修に受講しました。他の受講生達は、4年目もいれば15年目など経験年数はバラバラでしたね。
しかし、必ずしも3〜5年の経験がないといけないわけではありませんが、あくまでも施設の判断によると思います。
看護師特定行為の研修内容
では、実際にどのような研修内容なのか簡単に説明します。
- 研修期間は1年間(研修施設により違いあり)
- 前期(4〜9月)が共通科目(eランニングあり)
- 後期(10〜3月)が区分科目(自分が取得する行為)
前期
前期は基本的に座学がほとんどであり、自宅に帰ってからはeランニングの視聴という流れです。そして前期の最後には共通科目のテストがあります。
医師の講義などは、とても面白く勉強になることばかりでした。
ちなみに、テストで基準点に満たされなかった場合、再試は1度まで。
後期
後期は、自分が取得する区分科目の講義や実技の演習。
豚足を使用してのデブリ-ドマンや縫合。人形を使用しての胃瘻交換や動脈血採取の練習。超音波の使い方などを行ない、夢中になって練習しました。
そして、区分科目テストと実技試験がありました。これらを合格すると、いよいよ次は実習。
実習
実習に入ると、取得する区分の行為を、最低5症例経験しなくてはいけなく指導医による評価で基準にみたされないと取得できません。
褥瘡回診や形成外科の外来でデブリードマンを行なったり、OPE室でAラインの挿入、ERやICUでの動脈血の採取などを行ないました。実際に患者さんに行なうだけでなく、指導医に見られているという緊張から、汗だくになりながらやってました。
そして、すべての研修を無事に終了すると修了書がもらえます。
特定行為研修を受講して感じたメリットは?
キャリアアップにつながる
特定行為研修では、臨床推論や病態生理学、フィジカルアセスメントなど多くのことを学びます。なかでも、臨床推論は、医師の思考を学ぶことができる貴重な時間でした。医学的な知識を学ぶだけでなく、自分のアセスメントの甘さを痛感しましたね。
技術に関しても
- 動脈ラインの挿入
- デブリードマン
- NPWT
- 胃ろうor膀胱ろうカテーテルの交換
- 局所麻酔や縫合
- 創部ドレーンの抜去
など、多くのことを習得できました。
タイムリーなケアができる
医師が多忙により、なかなかタイムリーにケアが行えないこと多いのではないでしょうか?
例えば
CVカテーテルを挿入している患者さんの、カテーテル感染が疑われた場合、早く抜去したいが医師がなかなか来れない。そんな時に、特定行為研修を終了すれば手順書をもとに抜去することができ、タイムリーな対応ができるのです
また、実習中に患者さんが「先生がやるより痛くなかったよ」と言ってくれたことがありました。医師より患者さんに1番近い存在である看護師だからこそ、寄り添った医療と看護が提供できるのではと思いましたね。
手当てがつくことで給料アップ
私の場合は、1万円の手当てがつくようになりました。これは、嬉しいですよね。
しかし、他の研修生だった看護師さんは、手当てが6万円と言っていましたよ。
同じ病院じゃないので本当にそれだけもらっているのかは不明ですが、手当てがつくことはやりがいにも繋がり、大きなメリットと言えます。
ただ、特定行為研修を受講した看護師を雇用しても診療報酬上はメリットがないのが現状のようです。そのため、施設によって手当てがつくかどうかは確認が必要となります。
看護師特定行為研修を受講して大変だったことは?
- 受講料が高い
- 仕事と研修の両立
- 研修機関が遠い
- OSCE(オスキー)
- 実習
結構多いですね(笑)
では、詳しく説明します。
受講料が高い
これは各研修機関よって変わってきます。
特定行為区分名 | 料金 |
---|---|
共通科目の受講料 |
300000円
|
動脈血液ガス分析関連 |
40000円
|
栄養に係るカテーテル管理関連 |
20000円
|
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
40000円
|
創傷管理関連 |
60000円
|
創部ドレーン管理関連 |
20000円
|
ろう孔管理関連 |
40000円
|
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 |
40000円
|
合計540000円
共通科目の料金+取得したい行為の区分料金になります。
全部の行為を取得しようとすれば、もっと高くなりますよね?その為、自分が活用できる行為を厳選して受講するのが1番です。
また、2020年より特定行為研修を推進するためパッケージ化される予定なのです。
特定行為研修のパッケージ化
パッケージ化とは、使用頻度の高い特定行為をまとめたものです。
具体的には
- 在宅、慢性期領域パッケージ
- 外科術後病棟管理領域パッケージ
- 術中麻酔管理領域パッケージ
の案が出されています。
このようにパッケージ化をすることで、必要な行為を厳選された質の高い研修が受けられるのではないでしょうか。
それでも受講料金が高いのは事実。
ただ、補助金制度の適応になる場合もあるみたいなので詳しくは、厚生労働省のHPを参照してみてください。
仕事と研修の両立が辛かった
研修期間は1年間。
仕事をしながら、指定された日に研修機関で講義を受けていました。しかし、それだけですと時間数が足りないため、育児もやりながら夜遅くに課題やeランニング。
視聴しながら寝てしまうこともしばしばありましたよ。
子育てしながらのママさん看護師もいましたが、やはり独身時代に研修行ったほうが絶対によかったと思いました。
研修機関が遠い
令和元年8月の段階で、厚生労働省の調べでは研修機関は134ヶ所になっています。
詳しくは、厚生労働省のHPを参照してください
以前に比べ増えてはいますが、近くないと通うのは大変ですよね。
私は、電車で片道1時間30分かけて通っていました。まだ、このくらいの時間でよかったかもしれませんが、中には2時間以上かけて来ている看護師さんもいましたね。
OSCEが大変だった
OSCE(オスキー、Objective Structured Clinical Examination)は、客観的臨床能力試験のこと。日本の医学部、歯学部、薬学部6年制課程、獣医学部の学生が臨床実習に上がる前に、この試験とCBTの2つに合格することが、臨床実習に進むための条件となる。
引用
例えば、動脈穿刺による採血やデブリードマンなど、OSCEを合格しない限り臨床実習には行けないのです。
もし、不合格になった場合は基本的に再試験はありません。
試験の内容
- 状況設定に対し、アセスメントし特定行為を行うのか判断する
- 一連の手技の確認
しかも、試験官はもちろん医師。もの凄く緊張したのを覚えています。
手技は、繰り返し練習すれば出来るようになりますが、1番難しかったのはアセスメント。自分のアセスメント不足を痛感させられた試験でした。
臨床実習は緊張の連続
OSCEに合格した後、次は臨床実習でした。
- 回診時に、医師達の前でアセスメントし、汗だくになりながらデブリードマン
- 動脈ラインの確保の時は、私が穿刺できるまで手術始められず焦りまくり
- NST回診時に、医師から質問され頭の中が真っ白に
などなど、半端なく緊張した実習でした(笑)
でも、それ以上に確かな技術と知識を得られた貴重な時間でありました。
最終的には、必要症例数をこなすことができ、全ての特定行為を無事に合格することができました。
まとめ
いかがでしたか?
私は看護師特定行為研修を受講して、高度な知識や技術を深められるだけでなく、給料もUPし、確実に看護師としてのキャリアアップにつながりました。仕事と両立しながらの勉強なので本当に大変でしたが、受講して良かったと思っています。
これから超高齢社会を迎えるにあたり、必要とされている特定行為研修を終了した看護師。ぜひ、その1人になってみてはいかがですか?
ponpokoぽをぽん