看護師が突然病室に来て「病室を移動していただきたい」と言われると不安になりますよね?
「もしかして深刻な状態なの?」
「何か悪いことでもしたのか…」
このように思ってしまう患者さんや家族が時々いらっしゃいます。
実は、入院中に突然移動をお願いされることは珍しくありません。
その理由は、個々の患者さんの状態に合わせて適切な病室で治療できるようにベッド管理をしているからです。
一概にそう言われても難しいと思いますので、今回は
- どのように入院する部屋を決めているのか?
- 病室移動が必要となる理由
について看護師が詳しく説明していきたいと思います。
Contents
患者さんが入院する病室の決め方
では、患者さんが入院する際にはどのように病室を決めているのか?それを理解していただくとわかりやすいと思うので、先に説明しますね。
入院する部屋を決める場合には
- 病気の状態
- 緊急性の有無
- 介助量の多さ
- 認知症の有無
など様々な視点から患者さんの状態に合わせて入院するベッドを決めています。
例えば、ナースステーション前にある205号室や203号室などは手術後であったり重症な患者さんがメインで使用されます。
逆に、遠い209号室や210号室などは比較的軽症であったり自立度の高い患者さんなどが使用するようになっています。
つまり、ナースステーションを起点に
近ければ→頻回の観察が必要な部屋。
遠ければ→病状が安定している部屋。
という風に思ってください。
しかし、これはあくまでも理想なんです。
なぜ病室移動が必要となるのか?
常に個々の患者さんにあった病室が空いているわけではありません。
入院してくる患者さんの偏りによっては、遠い病室でも介助量の多い患者さんを観察しなくてはいけない事態が起きてしまいます。
その問題を解決するために必要なのが部屋移動ということです。
そして、部屋移動には「ナースステーションから遠くなる場合」と「ナースステーション近くになる場合」のケースがあります。
ナースステーションから遠い病室になる理由
例えば、これから緊急で手術をする患者さんが入院になるとしましょう。
緊急手術となると頻回の観察が必要となるのでナースステーション近くの病室に入れたい…けれど空きがない。
このように部屋移動を考えますが、ここで問題になるのが誰を移動するかということ。
この中なら202号室のAさんが1番適任だけど、急に遠い部屋に移動するのは心配。なら、Aさんを少しでも近い206号室に移動して206号室にいたBさんを208号室に移動しよう。
というように、頻回に観察が必要な患者さんを受け入れるために、比較的軽症であったり状態が安定している患者さんがナースステーションより遠い病室に移動となるこということです。
遠い病室に移動となる理由=状態が安定しているからと考えてOKです。
ナースステーション近くの病室になる理由
何度も説明しているのでわかっているとは思いますが、ナースステーション近くの病室に移動する理由は頻回の観察が必要だからです。
頻回の観察が必要なケース
- 手術後(ICUに入ることもあり)
- 生命の危険がある(人工呼吸器を使用しているなど)
- 認知症などにより安静が守れない(転倒のリスクがある)
つまり、近くの病室する理由= 病状の悪化、安全を確保するために常時観察が必要ということです。
同室者間でのトラブルが発生した場合も移動を検討する
大部屋なので患者さん同士のトラブルが発生する場合があります。
- 認知症のある患者さんがカーテンを開けて入ってくる
- 痰を吸引する音や排泄物の匂いが不快
- 隣の患者さんのいびきがうるさい
など、トラブルにつながるケースは様々。
急な病室の移動を断ることはできるの?
もちろん患者さんにも断る権利はありますので、絶対に移動しなくてはいけないわけではありません。
断られる場合は遠い部屋に移動するケースです。そもそも近くに移動が必要な場合は緊急性があるので必ず説得します。
ただ、看護師としての意見を正直に言いますと協力してくれると本当に助かりますので、できる限りの協力をお願いしますm(_ _)m
まとめ
入院中の病室移動は、個々の患者さんのに合わせて適切な病室で治療ができるようにするために必要となるのです。
ナースステーションを起点に近くなるなら「要観察」遠くなるなら「状態が安定している」と思っていただければ間違いないでしょう。
できる限り同じような患者さん同士を一緒の病室にしたいのですが、日々入院してくる患者さんも十人十色なので、何度も病室の移動をお願いすることになってしまいます。
患者さんも嫌だとは思いますが、できるだけ協力をよろしくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。