逆血もしっかりあったのに、途中で血液が引けなくなってしまって
「マジかよ~あと2本も残ってるのに…お願い血液よ出てきてくれ」
このように願ってみたものの、結局は取り直しになった経験あるのではないでしょうか?
なぜ途中で血液が引けなくなるのか?その原因を理解すれば、これからは取り直しせずに1回で終らせることもできるようになります。
そこで、今回は採血の途中で血液が引けなくなる4つの原因と対処法について解説していきたいと思います。
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途中で血液が引けなくなる原因はコレ
では、どのような原因で血液が引けなくなるのか?それには以下の4つが考えられます。
- 針先が血管壁にあたっている
- 針が血管から抜けている
- スピッツが陰圧じゃない
- 駆血が強すぎる
針先が血管壁にあたっている
針先が何らかの理由によって血管壁にあたってしまい血液がひけなくなったり、引けていても日が暮れてしまうくらい超ゆっくりになってしまいます
また、採血している時に「バイブレーション」のような振動を感じたことありませんか?その振動も血管壁にあたっているのが原因と言われています。
じゃあ、なぜ血管壁に針先があたってしまうのか?その理由については2つ考えられます。
理由①弾力のない血管を刺している
弾力のない平べったい血管の場合、内腔が狭いので角度が浅すぎると針先が血管壁にあたってしまうことがあります。
また、真空管にしろシリンジにしろ血液を吸い上げるために吸引圧がかかるので、脱水の患者さんなどは血管がペタッとしてしまいます。
そうすると、針先が血管壁にくっついてしまい逆血があったのに引けてこないという状態になってしまうのです
まずは針の角度を徐々につけてみましょう。それで血液が引けてくる場合があります。
また、真空管スピッツは規定量を採取するために陰圧がかかっているのですが、圧の調整ができません。このような血管の場合はシリンジでゆっくり引いて圧を調整すると引けてくることもあります。
理由②蛇行している血管を刺している
やむを得ず蛇行している血管から採血する場合、片方の手で血管を伸展させてから刺しますよね?
でも、穿刺がうまくいって逆血があったら伸展させていた手を離してしまう人が多いと思います。
そうすると、伸展させていた血管が蛇行している状態に戻ってしまい針先が壁にあたってしまうのです。
親指で血管を伸展させた状態のまま採血をするようにしましょう。
ただ、ちょっと難しいので慣れが必要になります。
針が血管から抜けている
当たり前ですが、針が血管から抜けてしまっていても血液は引けてきません
なぜ針が抜けてしまうのか?1番の考えられる原因は血管内にしっかり留置されていないからです。
逆血がきたからと安心して、そのまま針を進めずに採取し始めることありませんか?これでは針先が血管の入口に到達しただけであって、すごく不安定な状態です。
まずは、逆血してから針を寝かせて数ミリ進め確実に血管内に留置するこを意識しましょう。
そして、針が抜けないように固定することも大事です。
直針を使う場合は画像のように点で支えるようにしてください。
翼状針の場合は翼の部分をテープないし指でしっかり押さえましょう。
また、無理な体勢のまま採血すと針先が不安定になってしまうので、看護師が安定した体勢で採血することも重要になります。
スピッツが陰圧じゃない
真空管ホルダーにスピッツをつけたまま抜針して「プッシュ」と空気の音がしたことありませんか?
これはスピッツの中に空気が引きこまれるときに起きる音で、空気が引きこまれてしまうと陰圧が弱くなってしまいます。
陰圧が弱まると血液を吸い上げる力が弱くなるため、スピッツをホルダー内に刺しても血液が引けてきません。
真空管採血で失敗したとき、スピッツを変えずに再チャレンジする場合に起きてしまいます。
この場合は誰がやっても一緒なので、スピッツを替えるしかありません。
駆血が強すぎる
駆血が強すぎても血液が途中で引けなくなってしまうことがあります。
なんとか静脈を怒張させようと強く駆血すれば動脈の血流まで止めてしまいます。
そうすると、静脈に血液が供給されなくなってしまいますので途中から引けてこなくなってしまうのです。
途中で血液が引けなくなってきたら一旦緩めて駆血し直すことです。ただし、直針の場合は手が離せないので他の看護師に緩めてもらうほかありません。
動脈が触れるくらいの強さで駆血するように意識しましょう。
まとめ
採血の途中で血液が引けなくなるのには、何らの理由があります。
そして、このような場面に出くわすことはこれからもきっと多いでしょう。
そんな時は、今回紹介した対処法を思い出して試してみてください。