「点滴が終わった後に点滴チューブのところ注射されたんだけど…これって何?」
このような疑問に看護師である私が解説したいと思います。
さっそく答えを言いますと、点滴をするために入れた針(カテーテル)が血液で固まってしまうのを防ぐための注射です。
詳しく知りたい方は続きを読んで見てくださいね。
Contents
点滴が終わった後に注射をする理由
点滴が終わるとカテーテル内に血液が逆流してくる
点滴をするためには血管内に針(以下カテーテルとします)を挿入します。
点滴をしている間はカテーテル内に薬液が流れているので問題ないのですが、点滴が終わってしまうとカテーテル内に血液が逆流するようになってしまいます。
血液は固まる性質がありますので、そのまま放置してしまうとカテーテル内で逆流してきた血液が固まってしまうのです。
血液が固るとまた針を刺さなくてはいけない
血液で固まってしまったカテーテルは抜いてしまえば問題ありません。
しかし、明日も点滴がある場合はそのカテーテルは使えないので、また針を刺すことになってしまいます。
点滴をするたびに針を刺さなくてはいけない患者さんの負担や看護師の仕事量考えると、カテーテルを抜かずにとっておくのがベスト。
そのため、血液が逆流して固まらないように点滴が終ったら注射をしているのですよ。
どんな注射を入れているの?
固まらないよう入れている注射といっても、どんな注射なのか気になりますよね?
聞きなれない言葉が多く出てくるかもしれませんが、少しでもわかりやすく説明したいと思います。
病院によって違いますが
「ヘパリン生食」というものか「生理食塩液のみ」のどちらかだと思います。
ヘパリン生食
ヘパリンという血液凝固防止作用(固まらせない)のある薬剤と生理食塩水を混合した注射です。
私の病院ではコレを使っていますが、ヘパリンが入っているのでカテーテルが血液で固まりづらいのが特徴になります。
価格も生理食塩水のみの注射に比べて高価。
生理食塩水
生理食塩水は小学校の理解の実験で使った経験ありませんか?
生理食塩水は人間の体液と同じに作られているのでヘパリン生食よりも安全なのが特徴です。
ただ、ヘパリン生食に比べると固まってしまいカテーテルが使えなくなる可能性が若干あります。
点滴終了後の注射に関するQ&A
注射した後に冷たい感じがするのは異常ですか?
これ結構言う患者さんいるのですが、異常ではありません。
その理由は体温と注射液の温度に違いがあるからです。
注射液の温度のほうが体温より低いため、血管の中に入ると冷たく感じるのです。
注射するとビリビリとした痛みが伴います。これって大丈夫ですか?
- 今までやっていた点滴の濃度が高かった
- 注射のスピードが早すぎた
- 薬液が血管の外に漏れてしまった
①の濃度が高い点滴をしていた場合、終わった後に注射器で押すと血管痛といって痛みが出ることがあります。
②のように注射スピードが早いと、細い血管であったり細いカテーテルを使用している場合に痛みが出ることもあります。
また③のように血管の外に薬液が漏れてしまっていることもあるので、痛いなら迷わず看護師に伝えましょう。
まとめ
点滴が終わった後に注射する理由がわかっていただけたでしょうか?
カテーテルが血液で固まらずに、再度使用できるようにするためのものであり、決して危ない薬を入れているわけじゃありませんよ(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。